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食塩水を使った電解次亜水生成器。次亜塩素酸水?次亜塩素酸ナトリウム溶液? [生活お役立ち情報]


一つ前の記事で次亜塩素酸ナトリウムと炭酸水で弱酸性~中性の次亜塩素酸水を作製する方法をアップしました。

一方、食塩水を使った電気分解で電解次亜水が簡単にできると謳っている製品がネットで数千円程度からあります。我が家ではその製品で作製した電解次亜水は使っていませんが、果たして本当に次亜塩素酸水ができるのか?と気になり、製品を試して試験紙で簡易検証してみました。

今回検証したのは「消毒液製造機」としてよく見られる中国製のものです。
消毒液製造機_外箱.jpg

容器は300 mLのスプレー容器で底の部分に電気分解を行う部分がありました。
消毒液製造機_外観1.jpg

この種の機器は様々な名称があり、中には非常に紛らわしい名前(次亜塩素酸水生成器とか)が付いています。今回の製品の取扱説明書によるときちんと「次亜塩素酸ナトリウム消毒液を製造」と書かれていました。
理論上は次亜塩素酸水と呼べるもので無いだろう…と思ってましたので、きちんと書かれていて少しホッとしました。
消毒液製造機-取説一部.jpg

それはさておき。早速に製造させてみます。
今回は低濃度の設定で水を300 mLと食塩7.5gを容器に入れ、スプレー口を閉として、USBコードを接続しました。若干接続が不安定でしたが、底のLEDライトが通電を知らせてくれました。
ちなみにこの食塩水の濃度は計算すると2.5%(25 mg/mL)となります。海水の塩分濃度が3.5%であることを考えるとかなりの高濃度です。その後、底に近いところにある電源を押し、電気分解を開始させてみました。
反応前後の様子.jpg
反応開始後は底からブクブクと電気分解による気体が確認できました。青く光っているのは底のLEDの光です。その後は取説通り、約8分後に電気分解が終了し透明な液体が出来上がりました。

さて、では出来上がった液体についてpH試験紙と次亜塩素酸試験紙でチェックしてみました。
以下は、完成した原液とそれを3倍希釈した液体での結果です。
食塩7.5g.JPG
次亜塩素酸濃度は取説では300~500 mg/Lと書かれていましたが、3倍希釈液でおよそ200 mg/Lの色合いでしたので、原液は600 mg/L前後でしょうか。ほぼ取説に近い値の次亜塩素酸はできていそうです。pH試験紙の色合いではややアルカリ性のpH9程度でしょうか。

次亜塩素酸はpHで溶液での存在状態が変わり、アルカリ側ほど次亜塩素酸イオン(ClO-)となり、酸性側に傾くと次亜塩素酸(HClO)となります。HClOの割合は酸乖離定数から、pH8で約25%、pH8.5で約10%、pH9で約3%となりますので、できた溶液の殆どが次亜塩素酸ナトリウムで、ほんの少し次亜塩素酸水が混じっている状態でしょうか。なお、計算上ではかなりの食塩が反応せずに残っているとは思われます(後述)。

そのため、水300 mLに加える食塩を1gにして再度8分間反応させてみた結果が以下です。
食塩1g.JPG
食塩1gでも次亜塩素酸はできており、3倍希釈液でおよそ50 mg/Lの色合いでしたので、原液は150 mg/L前後でしょうか。pHは先ほどよりは少し中性よりのアルカリ性(8程度)でしたので、こちらも次亜塩素酸ナトリウムの割合が多い液体と思われます(食塩も残っていると思われる)。

結論ですが、正直予想よりはきちんと次亜塩素酸ナトリウムができる機器であるとは思われましたが、取説通りの食塩量では未反応の食塩の割合も相当あると思われます。
そのため個人的な見解ですが、余計なものが残っていることを考えると、本機器で次亜塩素酸ナトリウムを作製するなら、市販の漂白剤(ハイター)などを適切に希釈して使われたほうがよっぽど良いだろうとは考えられました。

【おまけ】
最後に私の化学の知識で少しだけ考察してみました。
こちらは独り言で、かつ間違いがあるかもしれませんので、ご興味があればで…

食塩水の電気分解は中学での科学実験でも行われており、その時にはマイナス極からは水素、プラス極からは塩素(ただ塩素は水素よりも水に溶けやすいため飽和に達するまでは気体としてはなかなか発生しない)が発生、溶液中には水酸化ナトリウム(NaOH)ができると恐らく習われているかと思います。

ではなぜ次亜塩素酸ができるのか?
実はこの水に溶け込んでいる塩素が更に水や水酸化ナトリウムと反応して、生成されると考えられます。完全な化学反応式はかなり複雑になると思いますが、もし次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水が同程度にできる条件だと仮定したら、私が理解した全体として起こる反応は以下などが混じったものではないだろうかとは思っております(厳密には間違いがあると思います)。
3NaCl + 4H2O → 2NaClO + HClO + 3H2 + NaOH(もしくは 3NaClO + 3H2 + H2O)
2NaCl + 2H2O → H2 + Cl2 + 2NaOH(中学で習った反応式)

水酸化ナトリウム(NaOH)がやはり残りますので、最終的にややアルカリに傾いた次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)の割合が多い液体ができるとは思われます。
また、上の化学式からは食塩と、反応後の次亜塩素酸は同モル数となりますが、食塩7.5gを加えた反応から得られた次亜塩素酸ナトリウムの濃度が600 mg/L程度でしたので、300 mL換算では約180 mgしか生成されていないことになります。
分子量の違い(食塩は58.44、次亜塩素酸ナトリウムは74.44)からは、計算上は反応した食塩の量は140 mg程度となりますので、次亜塩素酸まで反応している食塩はごく一部?…ということは想定されました。

実際に反応後の食塩濃度は測っていませんので、あくまでもその可能性があるかも?、ということでお読みいただければとは思います。
まぁ一つ言うとすれば、私ならこの機器を使うくらいなら、市販の漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム液)を適切に希釈して使うなぁ…とは思いました。

ご参考になれば幸いです。



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炭酸水と次亜塩素酸ナトリウムを使った次亜塩素酸水の作り方 [生活お役立ち情報]


 新型コロナウィルス(COVID-19)への対応で外出や3密を避けるとともに、マスクや消毒剤などの衛生対策もされているかと思います。我が家では2020年春~夏に消毒用エタノールが入手困難だったため、代替品として炭酸水で微酸性~中性の次亜塩素酸水を自作して使っていました。

 この方法は個人の方法のため、積極的に推奨いたしません。作成方法が理解できない方もご遠慮ください。あくまでも、一般家庭での作成方法の参考としてご覧ください。他にも作製方法のサイトはありますが、設定根拠が少ないサイトもあって危険と感じたため、本記事では私が理解した根拠の計算などを後半に記載しています。

・抗コロナウィルスとしては、消毒用エタノールの方が安全性・安定性・保管条件で良いですので、入手可能な方はエタノールを最優先でご使用されることをお薦めします。
・食塩水を使った電解次亜水生成器なる製品もありますが、生成物にはかなり機器で差があると思います。試しに次の記事でどのような液体ができるかを簡易検証を行っていますので、ご興味ある方はご覧ください。
・実際にウィルスを用いた効果確認は実施していません。
・次亜塩素酸水とハイターなどの除菌漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム水溶液)は違います!

≫ ハイターなどの除菌漂白剤として知られる次亜塩素酸ナトリウム水溶液はアルカリ性のため、皮膚や眼、口腔内、気道内表皮に触れると溶けたり、ただれたりします。希釈したとしても、人の手指消毒や空間噴霧、加湿器などへの使用は厳禁です!!

≫ ハイターなどの除菌漂白剤である次亜塩素酸ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム配合の製品も含む)も、適切に希釈するだけで汚物やモノの表面消毒には使用可能です。ただしアルカリ性のため、噴霧後の水拭きはした方が良いです。より簡単に作成可能なため、目的上それで十分な方はそちらを使われることが良いと考えます。厚生労働省が発表した作製方法のリンクも記載しておきます。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000645359.pdf

≫ 本ページで紹介している次亜塩素酸水は、一般的に入手可能な材料で、強アルカリである次亜塩素酸ナトリウム水溶液を弱酸性である炭酸(H2CO3)で中和し、pH6~7の微酸性~中性次亜塩素酸水を作成する手段の参考として記載しています。本ページに記載の通り、危険性があるため作成される方は自己責任にてお願いします。

≫ 作成後の次亜塩素酸水も塩素が含まれておりますため、小さなお子さんなどの手の届かないところに保管してください。また密閉空間での使用は避けてください。

【準備するもの】
o 漂白・消毒用次亜塩素酸ナトリウム水溶液(次亜塩素酸ナトリウム以外の添加物(水酸化ナトリウム等)が入っていない製品ピューラックスなど)
o 未開栓の炭酸水(水と炭酸(二酸化炭素)以外の添加物が入っていない製品:ウィルキンソン、サンガリア 強炭酸水など)
 ※開栓すると炭酸濃度がすぐ落ちます。
o ボトル/ペットボトル
o スプレー容器
o pH試験紙
o 次亜塩素酸試験紙(高濃度用:共立理化学研日産化学工業

【作製方法】
6%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(ピューラックス)と炭酸水(ウィルキンソン)を用いた一例
※上記と異なる材料を用いた場合は量などを変える必要があります!

① [500 mg/L (ppm) (0.05%)次亜塩素酸水ストック溶液(500 mL)の作製]
 空きボトル/ペットボトルに水を250 mL程度入れ、6%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(ピューラックス)4.2 mLと、炭酸水(ウィルキンソン)125 mL(少し多めでも可)を加えて、混合する(炭酸水は放っておくと炭酸が抜けるので、開けたら早めに加える)。この分量でほぼpH 6前後(弱酸性)になります。

 ただ、炭酸濃度の異なるウィルキンソン以外の炭酸水や、開栓し炭酸が抜けた炭酸水を使った場合、十分に酸性化できていない可能性がありますため、原則pH試験紙で酸性であること(アルカリ性でないこと)を確認すべきと考えます。 ※アルカリ性の場合、酸性になるまで炭酸水を加える。
 その後、全量が500 mLとなるように水を加える(ピューラックスの120倍希釈液)。

 なお、作成した次亜塩素酸水は紫外線・高温で分解するため、ストック作成後は高温を避け、アルミホイルなどで包んで保存(もしくは暗所保存)する。ストック溶液の保管限界は、次亜塩素酸試験紙を使った結果からは、遮光下で3~4週間と思います(32日まで確認済:記事中盤に記載)。

② [目的に応じた希釈次亜塩素酸水の調整]
 目的に応じストック溶液をスプレーボトルに希釈する。希釈後は、次亜塩素酸試験紙で濃度を確認することを推奨します。紫外線・高温で分解が早くなるため、アルミホイルなどで包んで遮光保管する。こちらの各希釈液の使用期限も、遮光下で3週間程度と思います(記事中盤に記載)。
 また、金属の腐食作用があるため、金属製品への噴霧後は水拭きするのが望ましいです。

A) [250 mg/L (ppm) (0.025%)] ゴミ箱など汚れが多く付着したモノの消毒用途
 上記①で作成したストック溶液を水で2倍希釈。
 ※汚れなど有機物があると接触した時点で分解されるため、汚れを落としての使用を推奨。

B) [100 mg/L (ppm) (0.01%)] モノの表面・手すり等の消毒用途
 上記①で作成したストック溶液を水で5倍希釈。pHは6.5~7(弱酸性~中性)あたり。

C) [50 mg/L (ppm) (0.005%)] モノを流水で掛け流して消毒する用途
 上記①で作成したストック溶液を水で10倍希釈。
 ※塩素や重曹で肌が荒れる可能性はあります。敏感な方は使用しないか、注意してご使用ください。点眼・内服は絶対しないでください
 20200422_次亜塩素酸水溶液2種.jpg

【自作次亜塩素酸水の安定性・保存性検証(次亜塩素酸濃度&pH)】
 アルカリ性でない次亜塩素酸水は不安定で長期保存できないとの情報がネット上に多くあり、自作したものがどの程度保存できるか興味がありました。そのため、作成後に定期的に次亜塩素酸試験紙とpH試験紙で確認してみました。いずれも試験紙での検証のためばらつきはあると思いますが、目安になれば幸いです。
※作製32日後(アルミホイルによる遮光保管)まで確認。

 試験紙の目視では500 mg/Lストックは明らかな変化は確認できませんでしたが、32日では100 mg/Lの結果を考えたら若干低下しているかもとは思います。

 一方、100 mg/L希釈液では24~28日で50-100 mg/Lの間の色合い、32日で50 mg/L程度の色合いになっていました。そのため、希釈液の保管は3週間程度が目安かもしれません。
 pH試験紙も同時に確認していますが、大きな変化がないので間の画像は省略してます。

・500 mg/L ストック溶液(遮光保管)
500mgLストック32日.JPG
・100 mg/L 希釈溶液(モノの表面・手すり等消毒用、遮光保管)
100mgL希釈液32日.JPG
・参考:遮光なしでの溶液安定性
遮光なし24日.JPG
 光(紫外線)で実際に分解が早いのか気になったため、遮光なし(他の保管条件は遮光下と同じ)でどう変化するのかも確認してみました。
 500 mg/Lストック溶液で遮光なしでは、8日で明らかに次亜塩素酸の濃度が下がり、16日で200 mg/L前後、20日では50~100 mg/Lの間、24日では25 mg/L前後の色合いでした。

 また、100 mg/L希釈液の遮光なしだと、4日で3/4程度、8日で約半分、12日後で1/4程度、16日以降は検出下限以下の色合いでした。
 遮光なしだと明らかに分解が早かったので、保管にはアルミホイルを巻くなど遮光が必須と思います。遮光なしの保管の場合、作ってから3~4日で使い切るのが良さそうです。

【炭酸水による次亜塩素酸水作製の化学的背景】
 上記の炭酸水を使った次亜塩素酸水の作製方法の化学的背景についても知った上で使われることが必要と考えておりますので、私の(過去の?)化学知識の範囲内で記載したいと思います。

  o 次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム水溶液の違いについて
 上記の炭酸水による次亜塩素酸ナトリウム水溶液の中和では、簡潔に記載すると以下の化学反応が起きています。
NaClO(次亜塩素酸ナトリウム)+H2CO3(炭酸)
     →HClO(次亜塩素酸)+NaHCO3(重曹)

 次亜塩素酸はpHに応じ溶液中の存在状態(平衡状態)が変化し、アルカリ性(pH 7より大)ではOCl- (NaClO)の割合が増大、酸性(pH 7未満)ではHClOの割合が増大します。
 酸乖離定数による理論上のHClO割合は、pH 4.5~6で95%以上、pH 6.5で約90%、pH 7で約75%、pH 7.5で約50%です。次亜塩素酸ナトリウム水溶液を炭酸水で弱酸性~中性とすることで、HClOの割合を増大させるとともに、アルカリによる皮膚などへの刺激性を落とすことになります。

 NaClOとHClOでは、消毒強度も異なり、HClOの方がNaClOよりも強いことが知られています。そのため、ハイターとして知られるNaClO(次亜塩素酸ナトリウム)のモノの表面・手すり等へのコロナウィルス(COVID-19)やノロウィルスの消毒用途として、厚生労働省からのパンフレットで推奨されている希釈濃度(0.05%=500 mg/L (ppm))よりも低濃度(100 mg/L (ppm))で消毒用途として使えることになります。
20200626013-4.pdf (meti.go.jp)

  o 次亜塩素酸ナトリウム水溶液について
 今回用いた次亜塩素酸ナトリウム水溶液は、他の添加物を含んでいない製品を使いました。

 メジャーな漂白剤としては他に複数製品がありますが、それらには次亜塩素酸ナトリウムの安定性を上げるために水酸化ナトリウム(NaOH)を添加し、よりアルカリ性(pHを上げる)に傾けているものがあります。そのようなNaOHが含まれている漂白剤を使用された場合には、ストック溶液のpHがアルカリ性になっている可能性があるため、個人的には使用されないことを強くお薦めします(未検証)。

 次亜塩素酸ナトリウム水溶液もゆっくりと分解して濃度が低下します。特に、直射日光のあたる場所や高温での保管では分解が早く進むことが知られています。そのため、各製品生産時からの時間経過とともに濃度低下しますので、長期間経過している製品の場合には加える量を増やす必要はあるとは考えられます。

  o 中和について
 今回は炭酸水を用いて中和を行っていますが、中和反応の危険な例としては、漂白剤などの塩素を含む強アルカリ性溶液(漂白剤など)に強酸性溶液(清掃剤など)を直接混ぜてしまうことです。混ぜてしまうと、大量の塩素が空気中に発生し、健康を害するばかりか、特に密閉空間では命に関わりますため、絶対混ぜないようにしてください。

 今回用いた炭酸水も酸性溶液ですが、中程度の酸性(通常pH 4.5~5.5)のため、大量に加えてもそれ以上酸性に傾くことはなく、塩素が発生する可能性は殆ど無いとは考えられます。

 ただし、「中和」は使用する液体によって大変危険になる場合があるという事を理解いただいた上で、換気の良いところで作業されることをお薦めします。決して小さなお子さんの近くに漂白剤を置いておくことが無いよう、手の届かないところに置いて下さい。

  o 炭酸水について
 今回用いた炭酸水(ウィルキンソン)の濃度ですが、一般的な炭酸水中の炭酸濃度は製造後未開封で3,000~5,000 mg/L (ppm)あたりと考えられています。開封後、コップに注ぐだけで炭酸濃度は約1/3程度になるとも言われているため(どの程度減るのかの情報が少ないのですが、各種情報を確認してこの辺りが妥当かと)、次亜塩素酸ナトリウムと混合する状態での炭酸濃度は1,000~1,667 mg/L程度と想定されます。

 今回は開栓後すぐに用いることも踏まえ最も高い1,667 mg/Lを採用し、中和する次亜塩素酸ナトリウム(6%=60,000 mg/L=60 mg/mL、4.2 mL分には約250 mg含有→250 mg÷74.44=3.36 mmol)とモル比で等量となる炭酸水(3.36 mmol×62.03=208 mg→208 mg÷1,667 mg/L≒0.125 L=125 mL)を加えて中和しました。

 きちんと炭酸濃度を測定していないためブレはあるとは思われますが、混合後のストック溶液のpHを測定すると6前後であったため中和はきちんと行われていると考えられます。
 ※次亜塩素酸ナトリウムの分子量:74.44、炭酸の分子量:62.03

 なお、炭酸濃度が1,000 mg/Lとなっている場合(炭酸がやや抜けた場合)は、同様に計算すると208 mLになります。pHを確認しつつ、酸性になってない場合は必要に応じて炭酸水の量を増やしてください。加える炭酸量の不足でアルカリ性になることに比べたら、多少多めに加えても酸性にした方がリスクは小さいかと思います。

 ここまでくると、面倒だから全て炭酸水で希釈すれば?と思われる方もいらっしゃるとは思います。ただ、私個人としては少し気持ち悪く感じます。炭酸水は発泡性のため、消毒・殺菌作用がある液体(特に高濃度のもの)を発泡性が高い状態で保管すること、及び空気中に拡散する可能性がある状態で使用するのは、少しリスキーかなとは感じます。

  o 炭酸で次亜塩素酸水を作製する際の副産物について
 炭酸で中和する方法では副産物としてNaHCO3が生じます。この分子は実は重曹で、日常生活で調理や医薬品、入浴剤、清掃、消火剤などの多用途で一般的に使用されているものです。

・調理用:代表的には膨らし粉のベーキングパウダーがあり、25%が重曹です。
・医薬品:重曹溶液は弱アルカリ性(pH 8.2)であるため、胃酸中和剤として配合されています(3~5 g/日)。また口腔内の中和・口臭予防効果からうがい液としても使われます(4~6 g/L)。
・入浴剤:発砲剤としても配合されています。
・清掃用途:研磨・乳化効果があることから、洗剤もしくは補助剤として配合され、かつ脱臭効果から脱臭剤としても使用されます。

 本方法で生成される理論上の重曹濃度は次亜塩素酸水とほぼ同量(50~250 mg/L (ppm))のため、1回の噴霧量が1 mLとして10回噴霧しても10 mL。その時の重曹の量は0.5 mg(掛け流し消毒用)~2.5 mg(ゴミ箱等の消毒用)となり、食用や医薬品に比べ極微量と計算されます。

 以上、炭酸水と次亜塩素酸ナトリウムで次亜塩素酸水を作製する方法でした。皆様の一助となれば幸いです。

※2020夏以降では、店頭にエタノール(酒造メーカー製も含め)も戻っています。
 ただ、COVID-19対策はワクチンや特効薬が出るまで当面続くと思いますので、エタノールと次亜塩素酸水を用途に応じて使い分けようと思ってます(コストはエタノールのほうがかかるので、モノの表面消毒には次亜塩素酸水を使おうかと…)。
 また、ノロウィルスなどのエンベロープ(脂質二重膜)を持たないウィルスへのエタノールの効果は下がるので、そういう時期にもすぐに作れるので使えそうです。

【使用商品および関連品のAmazonリンク(炭酸水以外)】
ピューラックス(第二類医薬品扱い)
※別途、ピューラックスS(食品添加物扱い)あり。使用用途により適用される法規制、用法・用量が異なるため別製品だが、成分は次亜塩素酸ナトリウム6%で同一。
アズワン pH試験紙 ロールタイプpH1-14 /1-1254-02
共立理化学研究所 次亜塩素酸試験紙 高濃度 WAP-CLO(C) 50枚
日産化学工業 残留塩素試験紙 アクアチェックHC 100枚入





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シャワーヘッド受け口とホース用マルチコネクターの接続部品を作ってみました。 [生活お役立ち情報]


梅雨も明け、いよいよ夏まっしぐらですね。
この時期になると、我が家のベランダでJrが小さなゴム製プールで遊びたい~と叫びます。

毎年準備しているのですが、これまではベランダにある水道から水をいれていました。
ただ、水が冷たいのが難点で、プールの入り始めは良いのですが、しばらくすると「寒い~x_x」となってしまっていました。

ということで、今年は風呂場からお湯を直接ホースでベランダまで繋いでしまおう!と決意。
繋ぐ方法にはいくつかはありますが、我が家では洗い場のシャワーから繋ぐことにしました。
となると、シャワーヘッドを外した部分に延長ホースを接続してベランダまで持っていくのが良いかと思い、ググってみました。

① シャワー接続可能ホースリール
まず、アイリスオーヤマが出しているベランダ用ホースリールというものが見つかりました。
これは、シャワーヘッドを外して直接ホースリールの給水口に接続できる代物で、
まさに我が家の用途にぴったりでした。

・ベランダ用ホースリール VHR-14 / OCHR-15(アイリスオーヤマ)
-Amazon:温水対応10m (VHR-14) / 温水対応20m (OCHR-15)

-楽天:温水対応10m (VHR-14) / 温水対応20m (OCHR-15)

ただ、既に別のホースリールがあるので、もう1つホースリールが増えると邪魔&勿体無いなぁ…
ということで、今あるホースリールを活用するために、シャワーヘッドの受け口とホースリールを接続できるような部品を探してみようと思ったのでした。


② シャワーヘッド受け口とホース用マルチコネクターの接続部品
2010年当時は1つの市販部品でそのような便利なモノが見あたらず、ホームセンターに出向いてもありませんでした(2022/2現在はタカギから販売されています)。

※2022/2追記:現在はタカギからシャワーニップル (GWA66WH)が販売されています。
メーカーごとのアダプターも同梱とのことなので、こちらを購入するのが最も簡単でしょう。
-Amazon:タカギ GWA66WH

-楽天:タカギ GWA66WH

※2013/9追記:次郎さんより、ホースリールを販売しているアイリスオーヤマさんがシャワーコネクターだけ保守部品として売ってくれるとの情報をいただきました(下記、コメント欄参照)。
当時の価格は部品代160円+送料630円(送料は地域により異なる)だったそうです。今は対応可能か不明ですがご参考に。


※以下は、2010年当時に試した方法です(2つの部材とOリング)。
こちらは検証済みで今も使えてますが、今はシャワーニップルが買えますのでご参考までに(2022/2現在)。

当時は幾つか部品を連結して作れないかと、お店の中を右往左往して考えてみました。
(シャワー側は浴室のエリア、ホース側はガーデニングエリアに部品があったので)

うちのシャワーヘッドを外したホース端の形状は、配管用並行ねじで「G1/2メス」というもの(INAXやTOTOなどメーカーにより違いがあるようです)。
これを、一般的なホースリールの水道側の差込形状(ワンタッチコネクター、マルチコネクターとも言う)に変換したいのですが、G1/2メスの規格からは直接変換できるものは見当たらず・・・

G1/2オスにするための「G1/2平行オスニップル(198円)」という部品はありました。
100717_シャワーヘッド-ホース用マルチコネクター接続_G1/2オスニップル1-2.jpg

-Amazon:カクダイ 平行ニップル 6465-13 / SANEI 平行ニップル T206-13

-楽天:カクダイ 平行ニップル 6465-13 / SANEI 平行ニップル T206-13

じゃあ、G1/2オスからワンタッチコネクターに変換できる部品は・・・
と探したところ、なんと見つけてしまいました。名前は「地下水栓用プラグ(498円)」。
100717_シャワーヘッド-ホース用マルチコネクター接続_地下水栓用プラグ1-2.jpg

-Amazon:TAKAGI 地下水栓ニップル G076 / TOYOX 地下水栓プラグ J-24

-楽天:TAKAGI 地下水栓ニップル G076 / TOYOX 地下水栓プラグ J-24

公園とかにある地下水栓から延長ホース用のワンタッチコネクター(マルチコネクター)に接続させるためにある部品のようです。シャワーとは別物ですが、管ねじの形状が一緒とはラッキー!

あとは、G1/2ねじの接続部から漏水するのを避けるために、G1/2オスニップルの根元サイズにあいそうな「Oリング」(2本入、126円、内径17.8 mm/ゴム厚2.4 mm)を購入。
100717_シャワーヘッド-ホース用マルチコネクター接続_Oリング.jpg
※もともとは2本入りです。1本出してしまったので…

-Amazon:カクダイ 補修用Oリング 794-85-18 / SANEI Oリング PP50-18

-楽天:カクダイ 補修用Oリング 794-85-18 / SANEI Oリング PP50-18

これらの部品の総額は訪問したホームセンターでは822円。
前述のシャワー接続可能ホースリールよりは安価(当たり前か…)。
ということで、早速組み上げてみました。
100717_シャワーヘッド-ホース用マルチコネクター接続_完成コネクター.jpg
ねじのサイズはぴったりですね。
あとは、ちゃんと機能するかどうか・・・ということで、早速検証です。
100717_シャワーヘッド-ホース用マルチコネクター_接続前後.jpg
上は接続前。下は接続後。接続不良は全く無し!
実際に温水を通してみましたが、漏水も無くベランダまで温かいお湯を届けることができました。
いやぁ、安上がりで部品ができたので、なかなかの自己満足でした!

※一点、留意事項です。
アイリスオーヤマのシャワー接続可能ホースリールの注意事項にも記載がありましたが、接続後にホース末端側で止水などホース内の水圧が高い状態にしたまま等にしてしまうと、以下のような理由から不具合が生じるリスクがあることは注意しておいたほうが良いかと思います。
これは、接続部品を使った場合も同じリスクはあるだろうと考えられます。

・一時止水機能・逆流防止機構(逆支弁)が付いていない混合栓など:水道水の圧力が低い温水側に逆流し、漏水や給湯設備が故障する可能性がある。
・バランス釜(浴槽の横についているボックス型のもの):水温上昇などで釜が故障する場合がある。
・シャワーエルボ(シャワー根元の混合栓への接続部分)が樹脂製の混合栓:エルボ部分の破損が起こりうる。→金属製に交換することを推奨。


同じような悩みを持っている方、良ければご参考ください。
ただ、上記のようなリスクもありますので、実施する場合には自己責任にてお願いします。
我が家もシャワーエルボが樹脂製だったので、ホース末端で止水はしないようにして使いました。
ということで、今日はここまでです。




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金魚の水槽&エアーポンプ [生活お役立ち情報]


※2020/4 商品リンク更新
今回は、金魚の水槽とエアーポンプについての話題です。

今、家には2008年夏に我が家にやってきた4匹の金魚がいます。
当初は「じゃあ、飼うか!」…と言ったものの、金魚はメダカに比べると、餌もよく食べ出すものも良く出すので、予想以上にお世話が必要でした。
ということで、初心者ながらこれまでの水槽の変遷とエアーポンプについての一考を。

①金魚の水槽
最初は小さな金魚4匹だったため、お手軽な20センチ弱四方の水槽セットを購入
080904金魚.jpg
まだまだ金魚も2センチくらいで可愛さがあったものです。

ただ、やっぱり少し小さいなぁということで、2代目の水槽を購入。
080908金魚.JPG
この水槽で、約1年半程度金魚たちは過ごしました。

ただ、1年半もすると随分大きくなり、この水槽も窮屈になったため、3代目の水槽に買い替え。
100424水槽大.JPG
金魚の大きさが随分違います。

ところでどうも♂3匹、♀1匹のようで、春先になると♂が♀を追いかけ回します。
あまりにも追い掛け回して♀がかわいそうなので、この時期だけ♂♀1匹ずつ、2代目の水槽に別飼育しています。ペアにすると、♂も競争相手が居ないためか♀の追いかけも随分まし?になりました。
100424水槽中.JPG
もし、受精卵ができたら、1代目の水槽で孵化させるかな。
ということで、なんだかんだで3台の水槽とも活用しつつあるこの頃です。


②エアーポンプ(水槽用のぶくぶく)
これは3代目の水槽になった後、エアーの噴出口を2種類に増やしたため、少しエアー吐出量の大きなポンプに変えようというのが始まりでした。

ポンプは「ブ~ン」という音と振動が気になる点なので、まずは近所のイオンで外箱に「静粛性」が良いと書いてあった某海外大手T社のエアーポンプを購入。
早速起動させてみると…音が大きい。。。
吊り下げても、ハンドタオルを敷いても、ほとんど効果なし。こりゃ駄目だ。

と、ネットでググッたところ、やはりT社のポンプの静粛性はいまいちらしい。
音、振動ともに良さそうなのは、アデックス、水作あたりの国産ポンプらしいということで、水作のSSPP-3と悩んだ挙句、1口吐出のアデックス101(ADD-X101)というポンプを買いなおし。

※以下は商品リンクになります。
【Amazon】
アデックス エアーポンプ ADD-X101(1口吐出)
アデックス エアーポンプ ADD-X202(2口吐出)
水作 水心 SSPP-3S

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待つこと数日、届きました!早速起動してみると、これがびっくり。
T社のポンプとは比べ物にならないくらいの静粛性です。
吐出量を上げると少し音は大きくなりますが、どんな向きに置いても振動がほとんど気にならない。これはすばらしいです。
100424アデックス101.jpg

外見は少し古めかしいなぁと思いましたが、この静粛性を実感した後は、玄人仕様かと思えてしまうから不思議です。恐らくですが、水作のSSPP-3も静粛性は良いのでしょう。
信憑性は?ですが水作のエアーポンプのオリジナルはアデックスらしいので。

なお初心者用として、エアーポンプとブクブクのセットで売っているコトブキ社のE1というポンプも、吐出量は小さいものの、置く場所さえ少しいじってあげれば、相当の静粛性はありました。
100424コトブキE1.jpg

いやぁ。やっぱりMade in Japanはやっぱり高性能だねと実感できました。
これからエアーポンプを購入される方のご参考になれば…
ということで、今日はこの辺で。




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